沈黙と騒音

カフェ・ノマドに加えて鍼灸ノマドにもなっているが、先週は基本に立ち返るようなすばらしい体験をした。
血が駆け巡り、腕と首と背中で限界に凝りかたまっていたものがすべて温かく溶け出してゆく感じ。
これぞ鍼灸の極意。

ふり返るに以前は鍼に来るとリラックスしてうれしくって何もかもしゃべりすぎ、興奮で効果が半減していたと思う。
それが新しい先生になってお互い人見知りし、少し懐疑的な思いで黙って施術を受けてみたら、朦朧とするほどの効果だったのだ。
普通の患者はこっちが当たり前だと思うが、これからは施術中黙ることを決意する。
あらためて鍼はすごい。

それにしても工事現場での生活は消耗する。
一般化できないながら前から複数の人々に感じていたことだが、男の人って騒音に対して俄然強くないか?
戦争に行くから?(ひどい紋切型)
毎年この季節の家事は本来気分的に一番好きなのに――ニットや寝具の洗濯や着つぶしたものの処分やブーツの手入れや植物の手入れ――、ちまちまとしかできず不自由である。
工事のない日曜だけ、薄日しか入らない狭すぎるスペースで、少しずつ進めるしかない、そんな春。