NHKはしご

NHKの特集シリーズ「女と男 最新科学が読み解く性」第二回を見る。
第一回は見ていないが、今日のは男女の脳の違いによる、ひとつの結果までの道筋をテーマにしたもの。
だいたい私はこういう性差ものを「ケッ、俗説だよ俗説」とあくまで認めないスタンスを無理やりにとってきた。
「地図が読めない女」とかいうけど、私なんか地図を読むのが好きで好きで、読んでいると盛り上がってたまらないくらいなのだから、いい加減なことを言ってもらっては困る。
しかし番組を家族と見ていたら、あまりにもそれぞれ男脳、女脳だったので本当にがっくり来た。
空間で把握するか言語で把握するか、重大なゴールまで一直線で行くか複数のプロセスを同時にたどるか、などなど確かに性差による傾向はあるのかもね…

脳の構造と関係あるのかないのか知らないが、日常の人との会話では、男性にはおおむね話が伝わるけど女性には伝わらないという経験がしばしばある。
そういう時の会話の相手は、一方的に私に言わせれば物事の理解が単純過ぎ、通念を疑うことを知らな過ぎ、注目すべきポイントが違い過ぎ、あまりに浅く現金なポジティブか、あまりに狭い視野のもとにネガティブかであり、こちらの意図が理解されず、時には怒りを買ったりしてしまう。
要するに私が複雑ぶって、歯切れが悪くて、傲慢なのだということもできる。
とにかくいずれにしても、そういう人間関係上の傾向と、脳の性差というのは関係ないらしい。
といってもやっぱり、番組を全部信じるつもりなんかないけど。

続きで見た星新一のSFショートショート三作品をCGで映像化したものが面白かった。
それから夜中になって、『鉄コン筋クリート』のマイケル・アリアス監督のインタビュー番組を興味深く見た。
そのアニメ作品もすばらしいが、91年に来日したというアリアス監督の日本語のみごとさにも舌を巻く。
東京の、業界にいる、やや知識人の日本人が日常的にしゃべっている言葉そのまま。

予算の力が大きいところはあるのだろうが、NHKの番組というのはやはりCGひとつ取っても、企画内容の充実度をとっても総じてレベルが高いと思う。