楽しい速習スペイン語

実は今月からスペイン語の授業に出ている。
この15年ぐらい、始めようと思い続けていたのだ。
だからって何もこんな時期に…と自分でも思うので、人には秘密にしている。
真新しい気持ちでserとestarを予習していったら、授業は通年だそうでいきなり未来完了だった。
一週間で未来完了まで覚えてきなさい、できるでしょフランス語やってるんだから、といわれ、教科書に加えて参考書と辞書首っぴきでやった。
おかげで近頃では、スターバックスを通りかかるたび、エスタバ、エスタバス、エスタバ、エスバモスエスバイスエスタバンと線過去形を呟いたり、「なんや、この子はほんま、あかんたれやわ〜」などと大阪弁でいわれると、カンタレ、カンタラス、カンタラ、カンタラモス、カンタレイス、カンタランと未来形を繰り返したり、「こいつビビりやがって」などと聞けば、ビビリア、ビビリアス、ビビリア、ビビリアモス、ビビリアイス、ビビリアンと過去未来を口にする。
フランス語のdosを見れば「背中」ではなく「2」だと思ってしまい、「骨」のosを見れば2人称複数の目的語と思ってしまい、英語の「お父さん」は「与えろ!」だと思ってしまうようにまで成長した。
明日も小テストだ(先週は念力で切り抜けたけど)。
それにしても「フランス語ができれば簡単」って誰もが判で押したようにいうけど、それってたぶん基本をひととおり終えてからの話だと思う。

(勝手に)出ているのは東大の文一だか文二だかの1年生のクラス。
聞きしにまさる進度の速さで、突然後からやってきてついて行くのは至難の業だ。
何年か前、初めて非常勤で教えることになったときにもフランス語のクラスを見学させてもらったが、初修者にはありえないくらいのスピードで驚いたのを覚えている。
それで実際、別の大学で教え始めて、見学したその授業は何の参考にもならないことがすぐさま判明した。
一応私も同じぐらいの歳の学生に同じく外国語を教えているわけだけれど、こんなペースで授業をしたらみんな次々発作を起こして倒れてしまうのではないだろうか…

当然先生も私のように与太話をしている暇はないが、たまに話してくれる16世紀頃のスペインの隠遁者の話などが楽しい。