[写真]場所

ああ、もう10月。
「トンボロ」という20代半ばぐらいの人がやっている写真日記サイトがあって、その写真がとてもいいのでよく見に行く。
http://evenfall.org/tombolo/2008
日常の風景として写っているのは、たぶん私のよく知るところのすぐ近く。
いかにも住人のやる気のなさを映すようなこの場所に、ずっと苛立ちを感じていた。
自分にも、身の周りにも手を入れてない感じ。
そこに住みたいから住むのでなく、なんとなく投げやりに住んでいる感じ。

今住んでいる都心の町はこんな場所とは正反対だ。
洗練されて、活気があって、たいていの人は羨ましがる。
住人の意識も高く、町の隅々まで目も手も行き届いている気がする。
気持がいいなあと思うし、私のような生活をする者にとっては、どんよりした場の圧力にマイナスの影響を受けるようなことがないという意味でもいいと思う。
同時にもとからこんな場所に生まれていたら、居心地よさに安住し、「外」への興味なんかもたなかったのではないかと思いもする。

「トンボロ」に出てくる風景は、孤独できびしく何もないがだらしなさとはほど遠く、ぐっとくる。
どうして私はこういう風にこの場所を眺められなかったのかと、バブリーで軽薄な価値観に侵されていた若い自分を反省する。
すべては見方の問題なのだ。

ここを離れて「上昇」したつもりでも、時の経過で今また接近しつつある場所。
私もこんな写真が撮れたらなあ(カメラは同じみたい)…