エリック・ロメール『三重スパイ』(2003フランス)、西川美和『ゆれる』(2006日本)

きっといい映画が選りすぐられているのだからと思いつつ、なかなか足が向かなかった「フランス映画の至宝」。
ようやく一本を観て、普通に面白がる。
『満月の夜』で足元危うい80年代小娘気分を追体験し、『緑の光線』で沈みゆく緑の太陽を指さしながらマリー・リヴィエールとともに「ウィ!」と肯定の叫びを上げるということも20年ぶりにしたいと思っていたが(いずれもユーロスペースでやっていた特集「ロメールの季節」)、やはり行きそびれた。
ラインナップを見ると、全作品観たことある気はするけれど。

秋に向かって気持ちを切り替える意味もあったが、どうもフランスという気分じゃない。
マリオンを出ると、H&Mでも見物するかと思っていたのに、糸でたぐり寄せられるように沖縄物産館に直行。

夜はケーブルテレビでオダギリジョー主演の『ゆれる』。
こっちのほうが面白かった。
事実はどうだかわからないまま、複数の解釈が可能という点、ロメールの『三重スパイ』と共通している。
つなぎ合われる手、というのが解決(作品としての)に近づくためのモチーフになる。
手と手というのは魅力的なモチーフで、私も何度か取り入れたことがある。