落雷と石油資本

テレビは半日以上ぶり、電話は今夜になって、ほぼ一日ぶりにやっとつながる。
昨夜の雷が住んでいるマンションに落ちたのだそうだ。
どうりで尋常ではない、めりめりと裂けるような音がしたわけだ。
まるで雷にうたれたかのような啓示……は訪れていないけど、それほどの衝撃は受けた。

本当に雷が落ちたのに、この比喩はおかしいな。
比喩がおかしいといえば、北京五輪で毎日のようにフェルプスの応援に来ているブッシュ大統領を見て、「いつまでも油売ってんじゃないよ」とテレビに向かって(オヤジのように)毒づきながら、ふと「油を売っているブッシュ」って比喩じゃなくてそのままだということに気がつく。

それにしても都会だからいいようなものの、携帯の電波も届きにくい人里離れたところでこういう目に遭うのは、想像するとちょっと怖い。
そんなことを考えるのは、先日森の中の家に行ってきて、ここへ本を持ち込み、しばらくひとりで過ごしてみたいと前から思っていることをまた思ったから。
森とカーブに遮られてお隣さんが見えないこと、携帯がつながりにくいこと、後ろが崖、安普請で雨戸もなく暴漢に狙われたら一発、などの条件を考えると二の足を踏む。

それでも雨の日さえ心躍る森の散歩や(蜘蛛の巣の写真参照)、お肌がつるつるになる温泉の濃いお湯、窓辺に立って飲むコーヒーとビールの美味しさ、などはなんとも贅沢で気持ちがいいのだ。