檀れいの金麦について

檀れいの出ているサントリー金麦CMのベタさに前々から違和感を禁じえないけれど、たぶんそれはククレカレー論争を知る世代の反応で、今ってこういう時代なんだろう。
森下愛子が「あんたは元気で仕事だけしていればいい。体のことを心配するのは私の仕事」といいながら漁師や大工に弁当を作る「三十丸」CMにもびっくりして作り手のセンスを疑ったが、そういえばあれもサントリーだ。
発泡酒のターゲット層である収入も高くないであろう大衆の男たちがぐっと癒されることを狙っての「君ら、どうせこういうノリだよね、こういうのが夢だよね」的な作り手の上から目線を勝手に読み取って、ついこちらはカチンと来てしまうのだが、実はそういうことでもなく、作り手のほうも本気で「ええなあー、こういう檀れいがいたら」と思いながら作っているのかもしれない。
2000年頃から、こういう臆面のないストレートさが全面的に表に出てきた。
もはや違和感など示すほうがどうかしていると思われる世の中だ。

そういいつつ、ケーブルテレビで再放送されている80年代初め頃の「ドリフの大爆笑」を毎週欠かさず大爆笑しながら見ているのだが、そこで示されるジェンダー意識などサントリーなどおよびもつかない低レベルで、当時はふつうの時間帯にこんな俗悪なものが放映され、親が子に見るのを許していた時代だったのだと呆れる。

時代は変わったともいえるし、何も変わっていないともいえる。
PCなどという表向きの意識についても、人の感覚を少しずつ変えることができるともいえるし、本質的にはそれほど何も変えないともいえる。