「いま ここにある風景」ではなく「一瞬の夢」

ジャ・ジャンクーの『一瞬の夢』(1997、中国=香港)を観る。
予定ではジェニファー・バイチウォル監督のカナダ映画『いま ここにある風景』の試写を観に行くはずだったのだ。
「『不都合な真実』『ダーウィンの夢』『いのちの食べ方』につづく、私たちが今生きている世界についての衝撃のドキュメンタリー!」と銘うたれたこの映画は、20年来、産業化の影響を受ける土地の風景を広域写真におさめてきたエドワード・バーティンスキーの仕事を記録したもの。
『長江哀歌』で印象深い三峡ダムや上海の風景に、この写真家がどう向き合うのか観てみたかった。
試写状に載っている風景写真など見ていると、とても興味をそそられる。
試写を観るチャンスはもう逃したが、夏休みロードショーでかかるとのこと。

用事を済ませて試写まで間があるので、時間をつぶしていたのだ。
意味もなくカフェでおやつを食べたりして。
そうしたら間に合わなかった。
人が見ているところでは巧妙に隠している(つもりの)こういう生来のトロさ、我がことながら目の当たりにしてとても落ち込む。

何か取り戻したいと思って、バーティンスキーと多少関係がなくもないジャ・ジャンクー
『長江哀歌』よりずっと面白いではないか。
(つづく)