健康診断?

本末転倒だよなと毎度思いながらも、健康診断を受けたあとはほぼ必ず寝込んでいる。
何本も血を採られて虚ろになるし、造影剤を映しやすくするための筋肉注射は腕がますます痛くなるし、目がかすむし、喉がからからになる(しかもなぜ注射でそんなことができるのかという恐怖)。
発泡剤とバリウムと下剤を飲まされ、棒のようなものでお腹をぐいぐい押され、乗せられた板の上でぐるぐる回され逆さ吊りされながら、非力な腕で必死にしがみついている。
これに婦人科検診が加わると、もう体だけでなく心身ともにずたずたになる。
(なぜみんな、診断後に出勤などできるのですか?)
今日は眼底検査で目潰しを受けたあと、瞼裏の光景をしばし観察する余裕があった。
はじめ黒を背景とした真っ白い大きな円だったのがコバルトブルーに変わり、やがてコバルトに背景の黒がじわじわと侵食してきてすべてが黒になるのだ。

外に出れば、まだ午前中の光がまぶしい繁華街。
消耗品を買いにふらふらとビックカメラに出向いたら、パソコン売り場で「このノートパソコンを買おう」という決心が突然ついてしまう。
私はこの手の店が苦手なので必要があってさえなかなか行かない。
だからこれはチャンスなのだけれど、下剤を飲んでいつどんな急襲があるかわからないときするような買い物ではないので諦めた。

パソコンとか電化製品とか、さくらやみたいなところで買う買い物って必要なんだけどほんとにつまんないよね、と女友達と話したことがある。
10何万円のパソコンより、ジバンシーのプリズム・イシム新色6500円とか、アナ・スイのプチ・ハート柄タイツ1500円を買うほうがよっぽど気分が躍るし、買い物心が満たされるというものだ。
ということで、つい試し履きしたらぴったりだったのでペネロペ・クルス風ジュート巻きのブロンズ・サンダル、ふらふらでお腹を押さえ、急襲に怯えながら。