チェ・ゲバラと採点

さくさくと一校分の採点を終えてしまうつもりが、ついBSでやっていた『モーターサイクル・ダイアリーズ』を全部観てしまう。
エルネスト・ゲバラガエル・ガルシアの苦しそうな呼吸につられて、ついこちらもヒュウヒュウ。
虚弱者の旅って過酷だよな。50年代は喘息用の携帯吸入器もなかったんだな。
(発作の時、アドレナリンをぶすっと注射すればいいというのはなるほど勉強になった)

それでもうらやましい、南米縦断のこの空や景色を味わえるのは。

ところで採点の話。
語学の非常勤講師なんて、何事もなければただの専門職のバイトのようなものだが、単位については権限があるわけだから、学生の生殺与奪を握っているということにもなる。
私は自分の倫理にさえ触れなければ結構甘い先生だと思うんだけど、毎年あるのだ、そこに触れてしまうような何かが。
気軽に留年させてもらえるような環境の子はいいが、世の中そんな家庭ばかりではない。
就職の内定をふいにするなどという事態にしても、それしきのこと、とは今どき必ずしも思えない。
こちらに非はないとはいえ、権力発動するとき心が痛むなあ。

しかし、どうして押さえるところを押さえるっていう簡単なことができないの!って思うような行動をとる子がたまにいるのは、やっぱりまだ子供だからなのかな。
会社とか大学院ではまず見ないから。
それとも歳をとっても同じような行動をとり続ける人間は、いる所にはいるのだろうか(あっ、そういえば身近にもいたわ)。