高齢者講習への疑問

現在、70歳を越えるドライバーが免許を更新する時には高齢者講習が義務づけられている。
自動車学校などで3時間の講習を受け、シミュレーション用の機械を使って反射神経、判断力などを評価されるのである。
10項目ほどあり、5段階評価。受けるのに6150円かかる(特別な設備が必要となるため)。
評価によらず、すべての講習を受けた時点で終了証が出る。
それから一般ドライバーと同じく警察で更新をするのだが、高齢者講習の結果は問われない。評価がオール1でもだ。
警察で視力検査などに通ってしまえば、免許は更新されてしまうのである。
幸い、免許を発行する担当者があぜんとするような状況を目の前で見せることができたので、絶対に運転すると主張してきたある高齢者から免許を取り上げることにようやく成功し、ありうべき殺人を防ぐことができた。
私事ながら具体的な話になってしまうが、この制度、問題じゃないか?
高い人件費と設備費だけ使って走る凶器を野放しにする、こんな恐ろしいことでいいの?

しかし、シミュレーション実習の評価はオール1で、視力検査はまるでわからず、その上……なのに、「納得できない」と怒り心頭な高齢者。
「納得」という表現には、筋道とか論理とか理性的な語感をかんじるのだが、どういう理性的な回路で「納得できない」のだろうか。

狂人の論理というものには、時としてぞっとするような驚異をかんじることがある。
追求したくなる人の気持ちもわからないではない。
(私にはその気はありませんが)