声と指と文字

私は一人で歩くなどしている時、だいたい頭の中でモノローグをくり広げている。
だからずっと自分の声が聞こえているのだが、他の人はどうなのだろう。
その時おしゃべりした内容を、たとえばブログなどに書き写す。
その局面では文字より声がまず先にある、とはっきり言えることになる。
だけど声を写した続きを書き加えようとする局面では、声の先行はあるのかないのかわからない。
何だか言葉は指の先から出てくるような気がしないでもない。
そんなはずないな…
やっぱり今も声はある。
でもほとんど指と同時のような。
指と声が直結しているような。
1メートルぐらいも離れているのに、肩とか肘で曲がっているのにすごくないか?

過去に読んだ文字情報が一度自分の声になり、そして指からまた文字に転化されるということも多いような気がするけど、そういう時に文字と声とはどちらが先なのか。
最初は誰かの声だったから声なのか。

人体と脳、さらに複数の人体と脳のつながりのミラクルを感じる。

マリーズ・コンデのLe cœur à rire et à pleurerを使って、授業用のプチ教科書を手づくりしていたら、やたらと骨が折れた。
今日は学生に「先生はフランスで絵の修行をしていたんですか?」とまじめに聞かれる。
「絵がうまいからてっきりそうなのかと。それにそんな雰囲気だし」とか。
黒板に落がきをしただけなんだけど、うふふ、うれしい。
前下がりのグラデーション・ボブからフロントのレングスを短くしてトップが丸いシルエット(阿呆な表現)に変えたのにちゃんと気づいてくれて、「かわいい」といってくれるのも学生たちだけ。ほんと、君らだけだ。

疲れてふと横になり、ACミラン浦和レッズの試合を見過ごす。