フィギュア・スケートNHK杯男子フリー

高橋大輔が234,22という高得点で優勝。
4回転トウループに失敗しながら、技術点81,33はすごい。
今日のフリーは高橋とチェコのトマシュ・ヴェルネルという、ともに好きな演技タイプの選手による優勝争いだったので、満足度が高かった。
3位の新鋭、アメリカのスティーヴン・キャリエールも可能性を感じさせる。
今シーズンの男子はジュニア上がりがいい。

しかし高橋の演技にかんしていえば、今日のプロコフィエフチャイコフスキーのプログラムより、SPのヒップホップ『白鳥の湖』の方が断然すばらしい。
氷の上でヒップホップを踊るこのリズム感!
人刃一体(人馬一体ならぬ)とはこのことだ!
フィギュアにこういう外の要素を取り込もうと試みると普通浮いたりするものだけど、高橋、ちゃんとヒップホップが自分の身についている。
踊りがうま過ぎる。
その上での人刃一体の滑りだから、ほんとに見事なのだ。
というか、ヒップホップって本来氷の上でやるものだったんだと思わされるほど。
滑走って何だろう。滑ることから何が生まれるんだろう。
高橋を見てるとそんなことを考えてしまう。

先月、緊張が頂点にたかまった状態で某大学の正門に立った瞬間、いきなり大きな垂れ幕が目に入ったのを思い出す。
「祝アメリカ大会優勝/体育会アイススケート部・高橋大輔選手(文4)」
とたんに緊張ががたがたと崩れ、ついヒップホップ『白鳥の湖』が思い浮かんでしまいそうになるのを必死で断ち、集中力を保つのが大変だったのであった。
佐藤信夫以来の名門でアイスリンクもあるというこの大学、スケート部の見学に行きたかったなー。

南里康晴は結果は出せなかったが、攻めのスケーティングがよかった。
残り1分のところでトリプルアクセルに挑んだのは立派だと思う。
確かに賢い選択ではないにしろ、本田武史が細かいことだけゴチャゴチャいうのはほんとに頭に来る。
ついつい野次を飛ばしたくなる(○キン野郎だったお前がいうな!)。

女子ははっきりいってレベルの低い試合だった。
安藤美姫も全然だったが、イタリアのミキティカロリーナ・コストナーも優勝するほどの質ではなかった。
安藤は一度底を見たあと力を出すことを覚えたのだから、またがんばってほしい。
関係ないが、武田奈也は表情によって和田アキ子ドロンパに似ていると思う。

いろいろスポーツの中継があるので見るのが大変。
フィギュアで26歳といったらもう相当の高齢者扱いだけれど、マラソンだと27歳の松宮、まだひ若いのによくがんばったという感じなのだな。
当たり前だけど、ある身体能力のピークがどれくらいの年齢に来るかというのは、ずいぶん違うものである。