事件のない夏

何もない夏だったなという気がしていたのだが。
初夏にテレビが発火したのを皮切りに、病院側からの入院の拒絶、手術の勧告と患者側の意味不明の拒否、いつの間にか水道管が破裂していて水道代17万円請求される、洗濯機のホースが突然抜けて畳の部屋まで水浸し、クーラーが効かないというので見たら設定温度が16度(!)で分解したら阿鼻叫喚、合間に日常レベルのスカトロジックな事件いくつか、これも日常的だが尋常でない電気代、数日前の鎖骨と腕の骨折…
ふり返ると何もないではない。
その間に切り絵や花火をしたり、諸国名産品をデパ地下で見つくろったり、葡萄の香りがする栃木のおいしいワインを開けたり、公民館のゴスペル・コンサートを応援に行ったり、何とか家を楽しくしようとしたし、実際楽しくもあったのだが。
それにしても火(テレビ)、水(水道管と洗濯機)、風(エアコン)と来たので、次あたり土砂崩れにでも巻き込まれるかな。
(環境破壊と地球温暖化が問題となっている折り、ここまでアンチ・エコな家も珍しい…)
もっとも各々が普通にきちんと生きていれば、避けられるトラブルばかりなのだ。
どこかが腐っていると、その周囲は低きに低きに流れてしまうものなのである。
そう深く感じながらも最近思うのは、どんなに駄目で馬鹿で役立たずの人生を送っている人でも生きる権利はあり、必要な介護はされるべきということだ。
社会からも、周りの人間からも。
矛盾や憤りは覚えつつ、やはり低い澱みに抗うためには情には流れず、非情にはなりきらず、淡々と手を貸しつづけるしかないのだと思う。

アメリカ共和党のラリー・クレイグ上院議員が男子トイレで性的関係を誘ったとして現行犯逮捕。
本人はゲイであることを否定しているが、誰も信じないだろう。
前も共和党議員が少年に猥褻メールを送った事実が問題化された。
不思議なのは、なんで同性愛者の議員が同性愛を否定する共和党なんかに入るのかということ。
民主党にすればいいじゃない。民主党だって政権取れる党なんだし。
…と思ったけど、やっぱりそんな簡単なことじゃないのかな。
代々共和党員の政治家とか、自分はゲイだから民主党で出ますなんてなかなか家族にも言いにくいかもしれない。