サンクトゥス、キリエ、ヘナ

久しぶりにヘナ。
揉みこむ時のほわんとした温かさ、植物的な匂いが何とも心地よい。
ただ毎回、自分の元の髪より濃い色に仕上がってしまうので、今日は粉の色合わせを念入りにする。
メモっておくと、トリートメント用の無色スプーンすり切り2、ブラウン1、レッド3。
これに水を加えて、味噌ぐらいの固さに練り、髪全体にすり込みます。
狙い通り、地色に近くやや明るめの色に仕上がった。
そして髪が鼻をかすめるたび、草いきれのような匂い。
しばらくはこれが楽しめる。
真昼の荒川の土手に立ち込めていた強い草の香りを思い出す。
チビたちが「クサイ、クサイ」というので「いい匂いなんだよっ!」と言いふくめた。
黒アゲハが群れていて、一匹が走ってきた車のフロントガラスにぶつかって落ちて死んだ。
珍しい。
子供の頃、蝶の中では黒アゲハが一番好きだったなーと思い出す。
何でもシースルーなものに価値を置いていたのだ。
蝶では黒アゲハ、ヨーヨーは透明のヨーヨー、売店の飲み物はいちご牛乳やコーヒー牛乳でなくリンゴジュース、色セロファンで作る海底世界。蛍のお尻。
この土手ではいやいやマラソンを走ったり、景色の写生をしたりの思い出もある。
それにしても、荒川を往来してばかりの8月であったことよ。

切り絵が大うけで、切り絵大会となる。
黒アゲハをしのんでの蝶パターン、それから昆虫パターンを作ってみた。
なりわいは何だかよくわからないしラインから外れてるっぽいながら、子供たちにちょっとしたものを作ってくれたり、変わった話を聞かせてくれる親戚のおじさん(おにいさん)というのはよく映画とか小説に出てくるけれど、私は結構そんな感じかもしれない。