すいとん記念日

昨日の終戦記念日すいとんを作り、チビたちや老人にふるまう。
うちは親が東京大空襲で家を失ってるので、8月15日といえば戦時中を偲んでこれが食卓にのぼった。
そして必ずオーラルヒストリー。
巣鴨の橋の上に行列してくじを引き、当たった人がすいとんを一杯もらえるというもの。
器からひよこの脚がとび出ていて、こんなおいしいものじゃなかったのよ…
うちのは鶏のもも肉、にんじん、だいこん、きのこなどの具にすいとんを入れたお澄まし(時にコンソメ)仕立てで、夏に食べるお雑煮みたいな感じ。
すいとんを練るのに小麦粉に卵と牛乳なんて邪道だし、そんなのフリッターの衣そのものだし、いかにも昭和時代の和洋でたらめな家庭料理という感覚である。

しかし同じ戦時中、地方の山奥で飽食に偏食のわがまま放題だったガキも事実(うちに)いるわけで、そう考えると、今なお戦争の具体的な記憶を伝えられる人というのは本当にかぎられているのだろうと思う。