アメリカの匂い

師匠の朗読会にとても受け身な感じで参加し、疲れた心身を癒してくる。
誰でもというわけじゃないけど、人の朗読を聞くのは好きだ。
古井由吉の名人芸みたいな感じとか、いかにもな感じに盛り上げるのとかはちょっと苦手。
短い教師経験の中、私は意外と朗読というのはやってて、ル・クレジオを読んだり、プルーストのマドレーヌのくだりを読んだり、すごい早口でシャモワゾーを読んでみたりしている。
結構好き。
朗読とトークを聞いて、ホノルルに行きたくなった。
ようやく人生初のハワイに行ったのは去年だけれど、ハワイ島の景色に感動して自分でも驚いた。
ちょうど鉱物モードになってきたからかも。
ホノルルはまだ未経験。人も面白そうなので住んでみたい。
私は威張れるほどの旅人ではないが、アメリカとはわりと縁がある気がする。
人ともそうだけれど場所との縁というのはあって、子どもの頃から脱亜入欧的に憧れていたのに、ヨーロッパとはあまりない。
東京生まれの埼玉育ちなのに、全然望んでないのに、なぜか関西にはつねに巻き込まれてきた。
土地ごとにおおよその匂いの傾向というのもあって、アメリカやハワイはだいたい似たような匂い、カリブは熱帯の匂いだけどアメリカ系の熱帯の匂い、東南アジアはどこも似たような匂い、ヨーロッパも似たような匂いがする。
英語圏のカナダからケベックに入ると、突然ヨーロッパの匂いになる。
それでやっぱり、アメリカ系の匂いが一番好ましいと思ってしまうのである。