水毒、堀口大學

飲んだ水の量を競う大会がアメリカで行われ、28歳の女性が4リットル以上の水を飲んだ後死亡した。
飲んでいる間、ぜったいにトイレに行ってはいけないのだとか。
死因は水死というわけじゃなくて、水の中毒だそうだ。
水毒(中上健次)ってほんとにあるんだな。
私は遺伝的に(?)水を一度にたくさん飲むということができなくて、バリウムを飲むときは毎回技師の人に怒られるし、ビールを飲んでいるところを見た友人に「ほんとはおいしいと思ってるのは知ってるけど、いつもまずそうにチビチビ飲むよね」といわれたこともあるくらいだから、賞品がNINTENDOでも何でも、こんな大会にはぜったい出られない。

ここのところ活字の読みすぎて目がつぶれそう。
顎と首がばきばきに痛く、頭が重苦しく、ひたすら気が滅入る。
現実っぽい悪夢を見る。

ガルシア=マルケスの一番最近の小説は、90歳のじいさんが少女を求める内容だそうだから、がっかりしないように読まないでおこうと思う。
「処女」って言葉、耳にするたびギョッとしてしまう。
こんな語彙持ってるの、ある年齢以上の男性と中学生男女ぐらいじゃないかな。
少なくとも、大人の女の人はいわない。
「処女作」とかも気色悪いので、私は多少ぎこちなくても「第一作」とかいいます。
作品なのに、なんでそんな血とオシッコが混じったような言葉を使うんだろう。
「処女航海」とか、もう意味がわからない。
少女を過剰に礼賛する態度っていうのもわからない。

何かにつけて微妙に気の合わない学者がいるが、影響を受けた翻訳作品を聞かれて「中学生の頃読んだ堀口大學訳詩集の『月下の一群』を挙げていた。
それで思い出したのだが、私が最初に翻訳で感銘を受けたのは、中学生の時家で見つけた「月下の一群」だった気がする。