ジョアンのせいで…

一昨日のジョアン・ジルベルト公演で友人のように音楽に身を投げ出せず、何となく理性的に聞いてしまったのは、胸苦しさを抱えながら聞いていたせいもあると思う。
まあ、後でCDをいろいろじっくり聞くとしよう。意外とそういう「復習」のほうが楽しいかも。
そういえばコンサート中にポルトガル語でしゃべったのはどういう意味だったのかな。
最後の「ポルファボール」だけわかったため、かえって私たちが彼に何を頼まれたのかが気になる。
しかしジョアンには悪いけど、空調切られたのはほんとにつらくて、あれ以来咳き込みが恐ろしく悪化した。
カラ咳だったのが、横隔膜がひっくり返るような、嘔吐に近いような咳に進化してしまう。
これが出ると自分ではどうにも止められなくなり、最悪。
数年前、フジ子・ヘミングのコンサート会場で発作が起きたときはパニックだった。
地下鉄構内がほんとに息苦しいが、週に2,3度は避けられない。
今日は吸入器代わりに熱々のアップルティーを入れた水筒持参。
乗り換えのホームで一瞬マスクをはずし飲む。というか湯気をむさぼり吸う。
ようやく地上に出たときの爽快感は、まるで高原に来たかのよう。渋谷のスクランブル交差点だっていうのに。
帰りは漢方のNIHONDOに寄り、陰陽五行説で肺=金に効くという寿仙茶(五巡茶のひとつ)を試飲。
ここは見てるだけでもいつも美味しい健康茶を淹れてくれて、通学途中にほっと一息つけるうれしい中継地点。
はとむぎ、ウーロン茶、かきの葉、橘皮、カリン、シソの葉、ハッカ、霊芝入りで、喉によさそうなので買う。
今健康関連商品を売りつけられたら、何でも買ってしまいそうだ。
苦しさで疲れ果て、帰宅して横になると深く眠ってしまう。
耳元で勝手についてたテレビで、湯川秀樹が世界の無理解のなかで核廃絶を主張していたという話をやっていて、眠りながら世界を大きくとらえる力と志の高さに感服。
ふっと目覚めて続きをぼんやり見てると、支え続けた奥さんが出てきて、なんだ、やっぱり甲斐甲斐しく一方的に献身されて終わるんだな、と毒づくが、眠っているときの私のほうが正しいかもしれない。