安倍政権のゆくえ


本当に安倍晋三自民党総裁になってしまった。
小泉政権発足時みたいな有権者の強力な期待感もなく、「美しい国へ」という抽象的なキャッチフレーズの後ろに何の具体的政策もないらしいことにすでに多くの人が気づいており、犯罪的カルト教団との長く深い関係も知られており、したたかさの必要な外交問題では子供の喧嘩並みの失言をくり返していて、英米のメディアにさえ「国家主義者」と呼ばれていて、早くも短命政権といわれていて……、それでもたぶん、来年の参院選までは安倍政権がつづくってことなんだろう。
教育基本法をはじめ、教育問題への国家の介入はもっとも心配だ。
ずいぶん前に森喜朗愛国心をやしなうための奉仕活動の導入みたいなことをいっていたが、高校教諭をしている友人の話では、すでにいくつものパイロット校で実施され、「成果あり」との報告が出ているため、早晩自治体のすべての高校で制度化されるだろうとのことだ。
その延長には、授業の一環、単位の一部みたいな感じで、偏差値の低い学校から自衛隊に生徒を送り込むという目論みすらあるという。
小泉政権を経て格差がますます定着した今、また自衛隊の位置づけがいつ変わるかもしれない今、「できない」側の子供にとっては現実的な危機、のはずである。
けれど、このようなはなはだ不安な状況と予測しうる展開を、彼らにそうと伝えるのは本当にむずかしいと日々実感。むしろ彼らは状況を後押しさえしてしまう。憂慮するのは、結局のところ相対的に安全な立場にある(自分はもちろん、その子供も同じだけ安泰な学歴資本を有することになる)「知識人」ばかりではないか。
憲法改正や教育への国家の介入という事態と身近な人間関係を結びつけて考えるととてつもなく不安になり、どうふるまうのが一番いいのかわからなくなる。
ゴーヤの葉に秋っぽく柔らかな朝日が当たって、翡翠みたいな色になっている。放置しておいた実がはじけて赤い果皮のついた種が飛び散っている。この種がしゃぶってみると甘くて美味しい。クコの実みたいな味がする。
カブトムシ(オス)はトレハロース、プロテイン、ビタミン配合の餌(「昆虫の蜜DX」)がいいのか、9月下旬に入っても元気いっぱいだ。