大根飴、虫の音

熱は下がったけれど、今度は咳。大根の角切りにマングローブ蜂蜜を入れて、大根飴を作る。
この三日間、食事といえばアイスクリームとかにゅう麺だったのに、急にちゃんとした外食(韓国家庭料理)。その席に大根飴とお猪口を持参して、おしゃべりの途中咳が出そうになるとひと口飲む。「おばあちゃんの知恵」的な風邪の対処法で、漢方の先生に教わったのだけど、これがのど飴なんかより全然すごい効果で、咳き込むことなく無口にもならず、外食タイムをクリアする。それでも夜は横になると胸と背中が苦しく、久しぶりの抱き枕活用でも眠れない。
昨日は熱が引かず、何もしていないのにずっとハアハア言っていて、変質者のようだった。床につくと、早鐘のような心臓の音がうるさい。関節痛が出てきた上、熱が下がるとき恒例の頭痛もひどかった。私は痛みを強く感じる体質なので、これでガンとかなったらどうなるんだろうとはなはだ不安。
昨日の昼間、パジャマに眼鏡というありえない姿で最寄りのコンビニにアイスを買いに行くが、気に入ったものがなく、そのままフラフラ駅前のコンビニまで行ってしまう。フォーマルな知人に会う可能性も高く、非常にリスキーであった。実際このコンビニの前で島田雅彦に会ったことがあるし、角田光代も見たことがあるし、名前が出てこないけど純文学なのに株の小説も書いている作家も見たことがある。
眠れずどうしようもないので、ベランダのジャルダン・クレオールで近くや遠く、いろんな場所から響いて重なり合う虫の音を聞いている。秋の虫にはくわしくないので、どの音色が何の虫かわかるようになりたい。夜が開けてもまだ音がする。5時27分、虫の音に鳥の声が重なった。
ちなみにジャルダン・クレオール(ジャデン・クレヨル)とは奴隷制時代のプランテーションで、奴隷が自給自足用に与えられたささやかな畑のこと。キャッサバ、マニオクなどのイモ類や豆、パパイヤ、バナナなどを同時に植えて食料にしたり、市場で売ってわずかながら現金収入にしたりする。うちのベランダにはパパイヤやバナナ、ゴーヤはあるものの、タロイモまでは植えてないから、本式じゃないけど。