9.11 カブトムシの最期

9.11から5年。具体的な記憶は今もはっきりしているけれど、あの時のアメリカ、あの時の日本、あの時の自分は確実に過去のものだと感じられる。多くの人と同様、その後のアメリカ合衆国をネガティブにしか捉えられない一方で、広い意味でのアメリカスという場(土地、風景、文化)に対しては今までになく魅惑され、親近感をもつようになった5年間だった。たぶんヨーロッパに対してよりずっと。
独善的で近づきたくないアメリカと魅力的なアメリカスの間の落差が将来縮まることはあるんだろうか。それともこの矛盾を抱え続けて、どう受け容れるか迫ってくるのがアメリカなのか。
それにしても、さっき報道ステーションでやっていたJFK空港の格納庫に置かれているワールド・トレード・センターの残骸は今も生々しかった。3階分、高さ12メートルの建物部分が熱で圧縮され、厚さ90センチの塊となっているもの。
9.11の今日、ゴキ(メス)が死去。9月6日、親王誕生と同時に当てつけみたいに産卵に入ったゴキ、3日ほど土にもぐった後地上に出てきて、昨夜は元気にいつもの馬鹿踊りをしていたのだが、今朝踊っていた場所でころっと死んでいた。カブトムシについて一般に言われている通りの行く末だ。ひと月足らずの付き合いだったが、かわいくて楽しい奴だった。裏の桜並木の土に埋めてやる。
思ったほど体調が回復していないらしい。ゴキの埋葬とちょっとした買い物、それに明日集合住宅の緑地部分に農薬散布があるので、被害防止のため、ちびゴーヤいくつかにラップで覆いをする作業をしたぐらいでぐったり疲れてしまう。今がしどきの研究が全然進んでいない。
買い物途中、近所のフレッシュネス・バーガーで話題のアサイーのジュースを飲んだ。ポリフェノールとビタミンが豊富で疲労回復にいいらしい。細かな種がぷつぷつするけど、ブルーベリー、黒すぐり系の味でとても美味しい。
毎日聞こえている秋の虫の種類をネットで調べる。りっりっりっりっ…という音で、たぶんツヅレサセコオロギかナツノツヅレサセコオロギ。
「群像」の創刊六十周年記念号を何気なくレジに出したら1500円もした。今、野菜も高い。