吉本ばななと悪夢

アメリカ人作家を囲むやや私的な集まりで、吉本ばななさんにお会いする。日本の作家は一種の芸能人、との実感がこれまで強かったため(新人以外)、そのトップをゆくばななさんが存外に普通な感じなのは少し驚きだった。普通な感じ、というのは、意識的なイメージ・コントロールにより自分の輪郭をあえて強調してない感じ。そんなことしなくたって、作家としてもうどうにでもやっていけるという強みゆえなのだろうか。そういうことだけでもない気がする。何なんだろう、この普通っぽさは。彼女の作風や世界的な支持と関係あるのだろうか。
ある参加者に以前お世話になった年配編集者の動静を聞いたせいか、その編集者と私の研究する作家が荒野のなかで電撃的な恋愛に陥るのを私が恐怖の目で見守っているという夢を見る。激しい恐怖で飛び起きると、圧迫もしていない心臓がものすごく痛かった。なぜこの内容が恐怖なのかわからない。とにかく他の内容も含め夜中じゅう悪夢を見て、心臓が苦しかった。心臓が苦しかったから悪夢を見続けた、というべきか。