新聞

アメリカの友人への手紙を半日かけて書く。後半分は大量の添削。新聞も一週間分ぐらい溜まっている。
私は新聞を読まないと気が済まない性質だ。すぐ読めなかったりすると、どんどん溜まって部屋も散らかるけれど、最終的には全部に目を通す。日本では朝日新聞を読み、アメリカにいたときはワシントン・ポストを一面から人生相談まで全部読んでいた。
時事的なことにはかなり小さい頃から関心があって、小学校低学年のときに一度新聞を読もうとしたら、漢字が全然読めなくて挫折したのだが、高学年のある日、三面記事が面白く読めることに気づき、それ以来ずっと読んでいる。
ある時期までは、新聞を読まないというのは、あまり知的でない層なのだと思っていた。でも人文系の大学院に入ってみると、アカデミズムの多くの人は新聞などとっておらず、新聞に書かれていることなど馬鹿にしていることがわかった。ジャーナリストの物の見方など一面的で底が浅いといいたいのだろう。その気持ちはまあ、わからなくもない。でもよくそんなに現実のことを無視して生きていられるなとも思う。
ネットのニュース見出しを読めば充分という意見もよく聞く。ただ実際、そういっている人が世間で起きている事件を把握しているケースは少ない。
しかしアカデミズムの人でもさらに進化すると、デリダやなんかの影響で現実の政治にも接しなきゃなどと思って、朝日新聞を小脇に抱えるのがまたファッションになったりする。アイヴィー・ルックに平凡パンチを抱えるみたいな感じだ。
もうわけがわからない。私は相変わらず文句をいいながらも、かさばる新聞を読んでいる。
ところで前髪をふわっとさせる「前髪美人クリップ」というのを、飯田橋ラムラビル(駅ビル)のドラッグストアで買った。ドラッグストアの若い女の子用化粧グッズというのは進化している。通気穴がいっぱい開いたクリップを前髪に挟んで上からドライヤーをかけるとうまい具合にセットできるという、簡単ながらすぐれたグッズ。