カリスマ好きに反論する

ニュースはライブドア堀江社長の逮捕一色。
論文からの逃避に最近ちょこちょこ人のブログを覗いているのだけれど、中には内容が面白くて何度もチェックしてしまうものがある。島根県の税理士の人がやっている「ホリエモン錬金術」というのもそのひとつ。かなり前から堀江社長の強引でインモラルなやり方を批判しているのだが、ここに来てアクセスが集中し、今はちゃんと読むことができない。
その半年ぐらい前の日記にショックなことが書かれていた。最近指摘する人が多いけれど、堀江社長小泉首相のやり方、人間のタイプが似ているとした上での小泉首相の話だ。
9月の総選挙で新潟県山古志村長島忠美村長が比例区から出馬し、当選したのはすでに周知のこと。この出馬は小泉首相の強い要請があったからだそうだが、当初長島村長は「地元にいて中越地震の災害復旧に集中したいから」というのを主な理由に、一度ならず固辞していたという。まったく正当な理由だと思う。
それでも首相はいつものあの強引さでこだわった。そこで側近を通して、別の候補を立てていた県連に告げたのが以下のセリフだそうである。
「(長島氏を)出さなければ公認しない。災害支援もこれまでのようにはできなくなる」
あわてた県連と長島氏が対応を協議した上で出馬が決まったのである。
この話は件のブログの人が「山陰中央新報」(2005年8月23日付)に出ていたもので、必ず信憑性があるとはかぎらないけれどとした上で紹介しているのだが、調べてみたらこれは共同通信社から8月22日に配信されていた記事だとわかった。
一国の首相が大地震災害を支援しないと脅しをかけ、出馬を迫るとはどういうことだろうか?貧しい国の災害時、別の大国が支援をエサに何かを迫るというのなら、そういうこともありうるとは思う。小泉首相はどこの国の首相なのか?中越地震はどこの国の不幸、どこの国の損失なのか?
いくつかの地方紙にしか紹介されなかったとしても、こんな信じがたい話がなぜ大問題にならなかったのだろう。
私はカリスマ嫌いなので、堀江社長小泉首相を持ち上げる人の気持ちがわからない。私がカリスマ嫌いなのは、カリスマって他人のことに興味がないからだ。個人的な関係でも、自分に何がしかの興味をもって対話をしてくれない人とはつき合う気がしない。
堀江社長小泉首相も、他人への想像力など持つ気もない冷酷な人間だとすぐわかる。他への想像力がないから視野が狭く、広く教養を積むことも軽視していて知性がない。
ある人物に知性があるかないか判断できないという人はいてもおかしくないだろう。知性なんか問題にせずに、それでもちゃんと生きている人はたくさんいるだろうから。
だけど、人間としての非情さ、相手への興味のなさ、倫理のなさなど、言動を見聞きしていれば伝わってこよう性格の歪みを何とも思わず、強いから、口調が歯切れいいからなどと持ち上げ続ける人が多いのが不思議でたまらない。
ついでに言えば、規模は全然違うけれど杉村太蔵を皆が取り上げるのもわからない。性格悪いと顔に書いてあると思うのだが。