証人喚問

耐震強度偽装問題。早朝から始まった証人喚問に引き込まれ、用事もいろいろあったのに、日が暮れるまで見てしまう。
姉歯建築士木村建設の木村社長と篠塚支店長、総研の内河所長、全員がこのとんでもない集団ぐるみの犯罪にかんでいるのは確かだが、それぞれの顔つき、態度、受け答え方とその内容に個性が出ていて、何だか妙に感心する。ついでにフジでゲスト出演していたイーホームズの藤田社長も。
人を人とも思わない人間(内河所長、木村社長)と、流されて歯止めなく人に従ってしまう人間(姉歯)。嘘をついたり、すっとぼけることに拒否反応のない人間(前者)と、他人を煙に巻いて生き延びる知恵のない人間(後者)。
どうも姉歯に同情気味になってしまうのは、自分にやや姉歯的なところがあるからだろう。自分の判断を放棄したのだから、同情すべきでないとは思うけれど。虫みたいに与えられた仕事だけこなして広い世界が見えないのは、日本人にはありがちなタイプだ。
それにしてもモラルのかけらもなく、都合の悪い質問をされると急に老人ぶって「耳が聞こえない」といってみたりする木村社長、カリスマといわれているらしいが終始他人を見下す口調で、そのくせいっさい責任は持つ気のない内河所長のふたりはワルの極み。ふたりのうちでも内河所長のほうがよりワルだと思う。明らかに責任があるのに、おどおどするどころか、つねに憤慨気味。自分は悪くないと終始信じ込んでしまっているタイプの人間に見える。
篠塚支店長や藤田社長はその中間。後ろめたさがあるものだから、自己正当化しながらもおどおどしたり、まばたきがやたら多かったり、いらいらとした口調で反論したりと落ち着きないのが明らかだった。