ベゴニア

帰国したらかえって寂しい気持ちが募り、順応できないでいる。旅行中さんざん植物を堪能したが、帰ったら自分の植物がいくつか(ハカラメとネペンテスとポトスの一部)枯れていた。クリーム地に朱赤のふち、白地に濃いピンクのふちのリーガルベゴニアをそれぞれ一鉢ずつ買い足す。
経緯はさておき、笑いながら投石するという映像に耐えられない。石が当たれば傷つける、死ぬこともある。それでもいいと思っている。気持ちを傷つけられれば憎しみが生まれることはよく理解できる。共感できる。その傷つける行為が無神経や無理解によるものならなおさら。だとしてもその共感とは結びつきようのない、ぞっとするとしかいいようのない、どこの国の人間であれ見たくない行為だった。「愛国無罪」というのは今まで聞き知った中国の四字熟語で最悪だと思う。
Patrick ChamoiseauのChronique des sept miseresを読み始める。86年に発表されたシャモワゾーのデビュー長編で、フォール・ド・フランスの市場が舞台なため、こちらの気持ちも入りやすい。フォール・ド・フランスの市場のおばさんは同じバナナを買うときでも、今日食べるのかそれとも明後日かと聞いた上で食べ頃のを選んでくれるし、感じがいい。一方ポワンタピートルのおばさんたちはエグいバナナやすかすかの水リンゴを平気で売りつけるし、買った後にもかかわらず写真を撮っていたら二度も怒られた。