ミシェル・トゥルニエ

長かった一年間の最後の授業。ミシェル・トゥルニエのフランス語短編小説『アマンディーヌ、あるいは二つの庭』を読み終える。トゥルニエがこの小説について語ったインタビューのプリントを配り、話の主題になっているイニシアシオン=秘儀参入について説明しながら話したら、学生たちが今までにない感じで興味を示してきたので、ちょっと驚いた。
猫と女の子が出てくる子供向けのお話のように見えて、実は性的な意味が込められていることに加えて、アフリカの部族やユダヤ教信者の間で行われている割礼や陰核切除の話、民族学者とフェミニストらの解釈の違いなどを話したのだが、今時の女子学生はこういう話に乗ってくるんだなあ。いや意外。
小説の感想も聞いてみたが、この短編後半の植物が生い茂ったグロテスクな庭が好きだという子や、猫の怖さについて話す子などがいて面白かった。