太平洋の島々に生きる人々

人類学者・後藤明氏による講演「ポリネシア人智慧、way-finding」とポリネシア各地(島々)のダンスという、すみずみまで充実した企画。
いろいろな感想をもった。

太平洋を船で往来する人々の、自分たちは固定しており、周りの島々が移動しているのだという物の味方が新鮮で面白い。
カーナビの例が出されていたが、そういう認識の仕方というか感覚はあっても全然おかしくない。
というか、自分も乗り物に乗っていてそう感じている時はある。

子供時分から知りつくした星の位置や海流を頼りにしての航海術にも感心する。
そんな智慧があったらすばらしいと思うけれど、ろくに星の見えない東京の住人には無理なことだ。
視力のよさも絶対条件だから、ど近眼で乱視の東京人などますます論外だろう。
なんだか動物として無能な感じ。

禁止を破って後ろをふり返ると、何かが成就されなかったり、その挙句に恐ろしい変身や変容が起きるという内容の神話は、ポリネシアのみならず、世界中にある気がする。
結局、後ろはふり返ったほうがいいのだろうか、ふり返らないほうがいいのだろうか。

ポリネシア文化センターのダンサーたちによる島ごとの踊りの紹介もよかった。
この地域は男踊りと女踊りがはっきり分かれていて、男性の踊りも素敵なのだから、日本男子のフラ人口ももっと増えていいと思う。
わが国女子のフラ人口はたぶん数万人単位でいると思うけれど、男子はいないに等しいのではないか。
来たれ、日本のフラ男子!