カニバリズムとビタミン不足

『黒人世界評論』La revue du monde noirは、1930年から31年にかけ、マルチニック出身のポーレット・ナルダルとレオ・サジューが編集していた英仏二カ国語の文芸誌。
某大学の図書館にお邪魔してめくっていたら、奇妙な記事を見つけ、本筋と関係ないのに読み込んでしまう。
精神科医のマリー博士と生物学者のザボロフスキー博士の共著で、タイトルはCannibalisme et Avitaminose。
それによると人肉食は人種の問題ではなく、ある種のビタミン欠乏が原因で起きるのだそうだ。
ビタミンBとDが不足すると人や動物は攻撃性を増し、人肉食はEの不足とも関係があるという。
それぞれのビタミンが分類され、機能が書いてあるが、どうも現代の常識とは違うような気もする。
ビタミンEは血流に関係するのではなかったか?
私は恒常的に不足しているが、特に人は食べたくならない。
タヒチの人肉食について例が挙げられていたけれど、それも熱帯の気候ゆえにある種の作物が育たず、必要なビタミンが摂取できないことが原因だそうである。

同じ号では、ルネ・メニル、ルネ・マラン、ラングストン・ヒューズ、クロード・マッケイが詩を書き、エチエンヌ・レロが小説の連載をしている。
その中でこの記事の意味はいったい…