スタンダリアンへの贈り物

消費意欲をそそられる商品が多いので近寄らないようにしている伊勢丹に用があって行くと、やはり売っているあれこれが選び抜かれていて、センスがよい。
特に食料品。
前に姉御にごちそうになり、すばらしい香りと美味しさを知ったアイリッシュモルトカスクが細長い四角の美しい瓶に入ったシリーズ。
それから世界の塩。
ヒマラヤのピンクの岩塩やジブチの砂漠で採れる真珠粒のような塩。
一番心惹かれたのが「ハーブソルト」と書かれた四角い箱に入った、タイムの小枝に結晶した塩がぴっしりついているもの。
塩のついた枝の先を砕きながら、料理にかければいいそうだ。
きらきらしてきれいなので、このまま胸元のアクセサリーになりそうだなとも思ったけれど、それより何より、スタンダール好きな人へのプレゼントに最適なんじゃないかという気がする。

例のザルツブルクで小枝を塩坑に投げ込むと結晶化しているという挿話、塩坑なんて知らないのでぴんと来なかったけど(そこから導かれる恋愛の結晶化作用にかんする御説はもっとぴんと来ないけど)、このきれいなタイムの小枝がそれなんだ!というのは発見だった。
スタンダリアンに思いを寄せている人は、バレンタインのプレゼントにお勧めだ。

岩塩といえば、日系か韓国系かわからないアジア人の大将のやっている寿司屋で、メニューにないけどリクエストして作ってもらったマグロやサーモンのポキが美味しかった。
ポキは家でもよく作るけれど、魚に下味(醤油やラー油やゴマ油)はなじませてあっても、さらに粒のしっかりした岩塩がぽつっぽつっと所々散らせてあるのが口の中で美味しい、とあらためて思う。