Fringe Frenzy, 植木等

『Fringe Frenzy』という新しいフリーペーパーにエッセイを書かせていただいた(明治大学大学院理工学研究科のディジタルコンテンツ系というところで出している)。
タイトルは「虚弱者の旅」で、大好きな鍼と旅の話。
論文を書きあぐねているさなかの連休中にひと晩で仕上げたせいか、書くのがとても楽しかった。
私はいつも人のいうことに水をさすようなことばかり書いているけれど、遠い札幌の方がちゃんと意味を汲んで評価してくださり、サイトに取り上げてくださったので、うれしくて思わず小躍りする。

浄土真宗の読経と説教を聞く。
努力せずともすがれば救われるというこの教え、あまりに怠慢、あまりにここにいる親族たちに似つかわしくて、いつもながら「ちょっとは気合い入れてがんばらんかい!!!」と立ち上がって喝を入れたくなる。
ほんと、同じ仏教でも禅宗のほうの法要のときと比べて厳しさゼロなのだ。
私はやはりどうにもキリスト教より仏教にシンパシーを感じるし、勉強してみたいとも思うけれど、親鸞上人の教えのゆるゆるぶりには何か脱力する(毎度、脱力するようなシチュエーションが用意されているせいか)。
それでも今回の説教は、この宗派の寺の息子である植木等クレイジーキャッツが売れたことで寺を継げなくなってしまったのだが、「無責任男」などという作られたイメージとは違って仏教の心をよく知ったすばらしいお方だったという話がちょっと面白かった。
その場にいた親戚の大学生の青年らは植木等など知らないと思われるので、スーダラ節や「日本一の無責任男」について解説しようかとも一瞬考えたが、そんな昔話を歴史的な話として耳をかたむけてくださるのは東大生ぐらいなのでやめておく。