偏りと螺旋


はーーー、誕生日。
ヨシフ・スターリンさん、フランク・ザッパさん、フローレンス・ジョイナーさん、松本清張さん、もう死んでしまったけどおめでとう。
チープ・トリックのリック・ニールセンさん、片岡鶴太郎さん、小谷野敦さん、吉川ひなのさん、おめでとう。
……まちがいなくエキセントリックではあるが、偏りをいい方向に生かせれば吉、というのが、これらの面々から読み取れる傾向といえようか……
しかし誕生日が同じなら性格も同じとなるような占いなど(動物占いとか)、あまりうれしくないものである。

それはともかく、大好きな人々からメッセージをもらうのはうれしい気分。
庭でとれたみかんと柚子のプレゼント、紀州の梅干のプレゼント。
何だか渋いが、とってもうれしい。
みかんと柚子の箱のなかに顔を埋めると、柑橘の強い香りにたとえようもない幸福感。
今夜は前倒しで柚子湯にしよう。

アブサロム、アブサロム!』を再読・精読して過ごす。
つくづくものすごい構成。ものすごい濃密。
フォークナー、ガルシア=マルケス中上健次エドゥアール・グリッサンのなかで一番偉いのは中上健次だと思っていたんだけど、もしかしたら違うかも。

例年と同じく胃の不調で飲むものがないので、大学近くのpiyokoでミントとハイビスカスのお茶(ホーリーナイト)を買う。
洗顔料にもなるpiyokoいちおしのハーバル・シャンプーも買う。
オーナーの女性と、新宿御苑に生えているムクロジの木の話をした。
(シャンプー開発の試行錯誤の過程で、調べたのだそうだ)
カリブ海の小説に出てくるので熱帯のものと思っていたが、日本にも普通にあって、洗浄効果があるだけでなく、羽根つきの羽の黒い丸い部分になるそうだ。
対応する訳語として、ずれがあるのかもしれない。

しかし毎年あっという間にこの日が来るが、時間はもはや直線ではなく、螺旋状に廻っている気がする。
要するに未来に向けての進歩がない。
フォークナー的な退嬰?