マリオン・ヘンセル

マリオン・ヘンセル『雲 息子への手紙』

祖母の命日。気分ひどく滅入り、体調も不良。一日なんもできなかった。落ち着くために、わざわざ送っていただいたマリオン・ヘンセルのドキュメンタリー・フィルム(9月公開)を見る。
かたちだけでなく、さまざまに色を変える雲。濃紺の雲、バレンシアオレンジの雲、真珠母色に光る雲、熾火色の雲。雲ってつくづく受身だなー。マダガスカルを通過する雲、アイスランドの火山の雲…。鋭く交差する飛行機雲の手前をのんびり通過する鳥、その手前の高架橋、その手前を走る列車の歪んだガラス窓越しに雲を見る。
カトリーヌ・ドヌーヴのナレーションは凡庸(息子への愛がどうとか、あなたはひとり立ちするとか)だが、ドヌーヴの無個性な声と合っている(今、ドヌーヴのことは褒めている)。英語版はシャーロット・ランプリングで、スペイン語版はカルメン・マウラだそうだ。