2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチ『明日へのチケット』(2005年、イタリア=イギリス)

先日、試写会が満員で入場できなかった映画のビデオ。 ドイツのどこかからイタリアの南のほうまで走る特急列車の乗客たち。それぞれの局面での主役を次々にバトンタッチするかたちで物語を引き継いでゆく。ルイス・ブニュエルの『自由の幻想』を思い出すスタ…

フランス製品かぶれ

友人の出産祝いに、偶然かわいいものを見つけたので購入。「マトゥデマタタ」と名づけられた角ばった紙人形で、うまく組み合わせて積み上げるとトーテムポールみたいになる。カラフルでデザインもかわいく、一目で気に入る。 見ていたら、店員さんが「マトゥ…

フランス5、安倍内閣

アメリカで親しく、今は帰国してモンペリエに住んでいるフランス人の友人から突然メール。 「今、あなたみたいな人がフランス5に出てるんだけど、これあなただよね?そうだよね?一体どういうこと〜?」という興奮口調だ。 同時に別メールで、春に撮影した…

プチ・ロベールをめぐって

プチ・ロベール仏語辞典の「植民地化」という語の定義に「開発」と書かれていることをめぐって、CRANという黒人団体が抗議活動をおこない、2007年版の回収を求めているとの記事を読む(22日付の朝日新聞朝刊)。 手元にあるプチ・ロベールのcolonisationを引…

ペットロス

カブトムシ(オス)が死亡。直前まで穴掘り遊びみたいなことをしてたのに、はっと見たらころりと死んでいた。ゴキ(メス)の時も、直前まで馬鹿踊りを踊っていた。カブトムシというものは、皆突然死するものなのか。 桜の根元のゴキの隣に埋葬。掘り返してみた…

溝口健二『残菊物語』(1939年)

ちょうどいい時間にたまたま恵比寿にいたので、溝口健二没後50年特集を観る。先日のテレビ放映でちょうど見逃した一本、しかも蓮実重彦が朝日新聞でベスト1に挙げていた一本だったので。 テレビで観てあんなにどれも面白かったのだから、映画館のスクリーン…

安倍政権のゆくえ

本当に安倍晋三が自民党総裁になってしまった。 小泉政権発足時みたいな有権者の強力な期待感もなく、「美しい国へ」という抽象的なキャッチフレーズの後ろに何の具体的政策もないらしいことにすでに多くの人が気づいており、犯罪的カルト教団との長く深い関…

シンクロとブルデュー

シンクロワールドカップ最終日。やはりシンクロは8人でやるチームが一番の醍醐味だ。 多人数が同じ動きをするのを見るときのゾクっとする感じ。大合唱のユニゾンとかもそうだけど、何ともいえない興奮を呼ぶ。私がこんな危ないこといっていいのか。 ともあれ…

シンクロワールドカップ2006

シンクロワールドカップ二日目。今日のソロでは実力通りほぼ一点ずつの差で、一位はロシアのナタリア・イシェンコ(テクニカル、フリーのトータル98,750)、二位はスペインのエマ・メングアル(97,550)、三位、鈴木絵美子(96,850)という結果だった。 ソロに…

侯孝賢『百年恋歌』(2005、台湾)

ホウ・シャオシエン新作の試写。1966年、1911年、2005年の台湾を舞台に、スー・チー、チャン・チェン演じる男女が三様の恋愛を生きる。 恋愛模様もさることながら、時代ごとの音楽が被さるのが印象的。たとえば66年ヴァージョンだったら、ザ・プラターズの「…

9.11 カブトムシの最期

9.11から5年。具体的な記憶は今もはっきりしているけれど、あの時のアメリカ、あの時の日本、あの時の自分は確実に過去のものだと感じられる。多くの人と同様、その後のアメリカ合衆国をネガティブにしか捉えられない一方で、広い意味でのアメリカスという場…

大根飴、虫の音

熱は下がったけれど、今度は咳。大根の角切りにマングローブ蜂蜜を入れて、大根飴を作る。 この三日間、食事といえばアイスクリームとかにゅう麺だったのに、急にちゃんとした外食(韓国家庭料理)。その席に大根飴とお猪口を持参して、おしゃべりの途中咳が…

リービ英雄『千々にくだけて』(講談社、2005年)

あんまり気が滅入るので解消しに美容院に行ったら、逆に表参道で冷たい霧雨に吹きつけられて発熱。最寄りのヴェローチェで動けなくなる。私はヴェローチェの雰囲気やコーヒーの味が好きではないのに、いつもなぜか行かざるをえない因果であるようだ。 久しぶ…

フーベルト・ザウパー『ダーウィンの悪夢』(2004年、フランス・オーストリア・ベルギー)

平日の試写とは思えない混雑の中、パイプ椅子で見て肩が凝ったけれど、見てよかった。 かつて多様な生物の宝庫ゆえ「ダーウィンの箱庭」とも呼ばれたタンザニア・ヴィクトリア湖の現在を追うドキュメンタリー。 60年代頃、ちょっとした試みで放たれたバケツ…

フランソワ・オゾン『ぼくを葬る』(2005年、フランス)

末期ガンで余命わずかと宣告されたファッション・カメラマンの男(31歳、メルヴィル・プポー)が実際に死ぬまで。 祖母(ジャンヌ・モロー)を除き、誰にも病気を告げないまま、恋人や家族たちに自分なりの別れをし、インスタント・カメラで写真を撮り、最後…

夏の後始末

日に日にカブトムシに愛着が湧いてくる。メスは馬鹿だし、オスも見かけに反して雄々しくなくて気立てがいいので、両者ののどかなやり取りを何十分でも見飽きない。 どうしても小バエがたかるので、虫かごの天井に貼りつけ式の小バエ取り、新しいクヌギマット…

アフリカ・リミックス

昨日、駆け込みで「アフリカ・リミックス」展。玉石混交ながら、好きな作品もいっぱいあったのだが、思い返してみるとアーティスト名も作品名もろくに覚えていない。 唯一覚えているのが、ジェーン・アレクサンダー(南アフリカ)の「アフリカの冒険」で、砂…